壁の飾りをかえました。春なので軽快なフレンチポップにしました。
辺見マリ「ダニエル・モナムール」昭和44年(1969)作詞:安井かずみ 作曲:村井邦彦、編曲:川口真
辺見マリさんのデビュー曲です。辺見さんはセクシー歌謡という文脈で語られがちですが、よく聴いてみるとフレンチポップの良作だなあと思います。なにしろ題名"Daniel, Mon Amour"で、Mon(モン=私の)のnと、Amour(アムール=恋人)のAがつながってモナムールと発音するところからしておフランスでお洒落。
歌詞はとりとめもない内容です、安井かずみさんにしてはひねりがない。"Je t'aime"を繰り返しているあたりは、セルジュゲンズブールの"Je t'aime, moi non plus"を意識していると思われます。歌詞カードをみるとフランス語とひらがなだけです。カワイらしさやたどたどしさを狙ったのでしょうか?19歳デビューの若い歌手によく合っていると思います。
サウンドはまさに当時のフレンチポップ。スリーシンガーズのスキャットコーラス、バックのストリングス&ホーンセクションも相まって60年代後半~70年代前半の空気を醸し出しています。そしてベース・サウンド、弾いているのは院長の大好きな江藤勲さんだと思います。ズシンと重いビートにピック弾きのパチパチいう音が特徴。これも60年代らしいサウンド!
60年代後半はフランス・イタリアから影響を受けた歌謡曲がたくさん作られていました。シャンソン、イエイエ、カンツォーネなどですね。同時代的にはGSがあり、初期の演歌もあり、そして並列してこういったヨーロッパ系サウンドが流行っていたわけです。その後だんだん英米系スタイルに押されていくのですけど。
ともあれ60年代にこうやって完成度の高いフレンチポップが既にあったのです。1990年代の渋谷系フレンチのはるか昔です、というより渋谷系自体が「60年代を見直そう」的な発想から始まっていたわけですけど。
皆様、このヨーロピアンな名作、ぜひともお聴きください。なおB面の「ふりむかない季節」もヨーロピアンテイスト満載。ブリジッド・バルドーの歌みたいでおしゃれです。こっちも聴いてください。(2025.4.1 院長)