「聖断 天皇と鈴木貫太郎」「日本のいちばん長い日」

8月は昭和を考える月です。

「聖断 天皇と鈴木貫太郎」半藤一利 著

太平洋戦争で誰が英雄であったかというと、ポツダム宣言受諾まで導いた鈴木貫太郎首相をおいて他ないと思うのです。日本を救ったヒーローです。

海軍軍人、日清日露戦争において水雷艇で活躍、その戦術と勇猛果敢にて鬼貫太郎と称された。連合艦隊司令長官などを歴任。昭和4年~11年、昭和天皇の侍従長を務め、天皇の信頼が厚い。二・二六事件では青年将校から4発も撃たれ瀕死の重傷を負うが生還。その後枢密院議長を務める。

戦局悪化の昭和20年4月小磯内閣が総辞職ののち、天皇から懇願されて内閣総理大臣を拝命、この時既に満77歳の高齢であった。終戦工作に陸軍の徹底抗戦派を抑えて、ポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争を終戦へと導いた。 

何事も始めるより終えるほうが難しい。戦争も然りで終戦させることの難しさが伝わってきます。教科書などでは本土空襲→沖縄戦→ポツダム宣言→原子爆弾→ソ連参戦→終戦、と1ページにあっさりまとめられていますが、そんな簡単ではないわけです。

誰が見ても戦争継続が困難な中、表立って終戦を口に出すと、徹底抗戦派からクーデターを起こされ終戦工作がご破算になる危険があります。反対派から命を狙われるかもしれない。そんな中で鈴木首相は奮闘するのです。

なお「日本のいちばん長い日」半藤一利 著は8月14日と15日にスポットを当てた有名作。実際にクーデターの企てがあって、これを間一髪回避して15日正午の玉音放送が実行された、緊迫の24時間が描かれています。なお、終戦の詔書はいちど全文を読まれることをお勧めします。特に後半は良いことが書かれています。

日本が敗戦に至るまでの検証の中で色々な教訓をみることができます。皆様、ぜひお手に取って読んでください。

厳しい暑さが続きます。皆様くれぐれもお身体にお気を付けください。(2024.8.14院長)

 

カテゴリ 読書

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