壁の飾りをかえました。
月組「フリューゲル/万華鏡百景色」8/18〜9/24 宝塚大劇場
ミュージカル「フリューゲル」は齋藤吉正先生の作、ベルリンの壁崩壊1年前の話です。ベルリンの壁崩壊と民主化へ向かう東ドイツが舞台。東独軍人ヨナス大尉を月城さん、西ドイツのポップスター(1)、ナディアを海乃さんが演じます。ヨナスがはじめはもう堅物でマジメすぎなのが、ナディアと打ち解ける過程で変わってゆきます。このあたり月城さんの芝居が上手いです。ナディアは西独のアイドル、ワガママでオテンバで、ヨナスが何かと振り回されるのもコミカルで楽しい。
鳳月杏さんは国家保安省のヘルムート役、東ドイツの社会主義を守ろうとする狂気の演技が巧い。対して西側芸能マネージャーのルイスを風間さんが演じる、これがはじめチャラいキャラで笑いを誘うのですが、芝居が進むにつれ変わっていくんですよ、これも風間さんの演技の味わいです。ヨナスの母エミリアも鬼気迫る演技。
さすが「芝居の月組」で、幼少時代(2)や、市民や学生たち、警官、軍人も各所で細かい芝居をしていて目が離せないです。
ショー万華鏡百景色は栗田優香先生の大劇場デビュー作。江戸からはじまり現代までの東京を舞台にしたショーです。芝居仕立てになっていて各時代のストーリーがつながっていくという構成です、これも面白い。ピンクの衣装の中詰め場面は1970-80年代日本のシティポップがテーマです。一定以上世代の日本人なら誰もが知っている、EPOさんの”Down Town”(3)で始まります。なつかしいわあ。
このほかにもみどころたくさんです。
皆様機会がありましたらぜひ月組の舞台をご覧ください。
(2023.8.23 院長)
(1)実際にこの当時西側アーチストの招聘公演がありました。
1988年7月、ブルース・スプリングスティーンが東ベルリンで上演、これはブルースが労働者階級の代表として招聘されたのです。本公演の女性ポップスターは誰がモデルなんでしょうか?NENA(ネーナ)?ニナ・ハーゲン?
(2)冒頭ヨナスの少年期を演じた朝香ゆららちゃん、とてもよかった!
(3)フジTV「俺たちひょうきん族」のテーマ曲です