壁の飾りをかえました。
竹内まりや「SEPTEMBER」昭和54年作詞:松本隆、作曲・編曲:林哲司
日本のシティポップが世界で再評価されているそうです。「シティポップ」とは欧米の音楽の影響を受け洋楽志向の都会的に洗練されたメロディや歌詞を持つポピュラー音楽、とされています(1)(2)
当時「シティポップ」という呼び名はなくて、フォークもロックもまとめて「ニューミュージック」だったように思います。後年になって「シティポップ」の名前がつきました。ロックやフォーク寄りではなく、アメリカ西海岸のAOR(adult oriented rock 大人向けのムードある優しい洋楽)に近いサウンドを日本のミュージシャンが目指していたのですね。そしてなんと40年たった2010~2020年代から外国で日本のシティポップが注目され、Youtubeなどで爆発的に流行しているそうです。それまで日本の音楽は外国のマーケットに出ることがなく入手困難、そしてそもそも日本語の壁があるので検索すらできませんでした。しかしネット時代が到来、動画サイトの普及でアクセスが容易になり、世界の音楽マニアが日本の70-80年代「シティポップ」を発掘することになったのです(2)。
さて竹内まりやさんは当時、慶応大学在学中、軽音サークル「リアルマッコイズ」(3)に所属し音楽活動をおこない、メジャーデビューしました。この「SEPTEMBER」は3枚目のシングルです。夏休みが終わり9月になって失恋するという悲しい内容の歌詞にたいして、瀟洒なサウンド、カッコイイコード進行、竹内まりやの爽快なボーカル、そしてコーラスワーク(4)がほんとお洒落です。
シティポップが描くのはちょっと現実離れしたお洒落な世界です。当時バブル時代に向かっていた西側の東京の空気を映していると思います。竹内まりやさんその人も、慶應大学で軽音サークルでいいとこの子でミスコンテスト受賞で・・・と別世界です。
たしかにあの頃はこんな音楽がよくラジオから流れていたなあと思い出します。当時は何だかカッタルイ感じに捉えてよく理解できませんでしたが、大人になって聴きなおしてみるとカッコいいサウンドです。
秋になってまいりました音楽をじっくり聴くのにによい季節です。皆様ぜひシティポップをご鑑賞されてはいかがでしょうか。 (2022.9.14院長)
(1)Wikipedia:大瀧詠一、山下達郎、吉田美奈子、荒井由実、竹内まりや、大貫妙子、南佳孝などがシティ・ポップの基盤を作り上げていったとされる。
(2)詳しくはレコード・コレクターズ2022年9月号「シティ・ポップの再定義」、2020年6&7月号「シティ・ポップの名曲ベスト100」、2018年3&4月&9月号「シティ・ポップ」特集をご参考にしてください。
(3)リアルマッコイズには杉真理さんもいたそうです。スゴイ!
(4)コーラスにEPOさんが参加しています。なんとB面の「涙のワンサイデッド・ラヴ」のコーラスは山下達郎さん(のちに竹内さんと結婚)&吉田美奈子さんと豪華ですね。