壁の飾りをかえました。
「春なのに」昭和58年 歌 柏原芳恵、作詞・作曲 中島みゆき
いまやほぼ全ての日本人がこう思っているんじゃないでしょうか。三月といえば心躍る季節なのですが、今年は春なのにちっとも楽しくないですな。
さて表題曲は卒業式を舞台とした別れの曲です。テレビやラジオでよく流れていたのを覚えています。今聴きなおすと中島みゆきさんの詞が味わい深いですね。女子高生の心情吐露だけを以て、卒業式当日の光景、彼へのこれまでの思いとかかわり、映像と時間経過が映画のように浮かび上がってくるのです。男子の一言で色々察した女子高生が諦め忍ぶさまは、演歌のそれであります(1)。女子高生にしては大人すぎるようにも思えます。当時柏原さんは堀越高2年生(2)、歌詞の主人公とほぼ同年齢のアイドルが現にそこで歌い上げることにより、年齢不相応な演歌的情念がリアリティに結実せざるを得なくなるのです。
今上陛下が皇太子であられた頃、「好きな歌手は柏原芳恵さん、「春なのに」がいいですね」とお話になられたエピソードが有名です。
早く楽しい春が戻るといいですね。 (院長)
(1)後年マツコ・デラックスさんがこの曲を「演歌の世界」と評されています。
(2)この曲は制服姿でのTV出演が多かったようです。